特に男子はいじめや暴力の対象に

北米や欧州で暮らす東アジアの人々は実は似たようなことを常日頃体験している。東アジア人というのはどこの土地でも最も模範的な移民だ。全ての人種グループにおいて学歴は最も高く収入も最も高い。

アメリカの場合はなんとインド系や東アジア系の収入の方が地元に代々住んでいる欧州系白人よりも高いのである。現地の進学校は東アジア系の生徒だらけである。

その一方で東アジア系の犯罪率は最も低い。職場で不正をする可能性も低く、非常に安定度と信頼の高い人々なのだ。

ところが東アジア系というのは自己主張しないし暴力に訴えることもないのである意味舐められている。

家で宿題をする退屈そうな少年
写真=iStock.com/Thai Liang Lim
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私生活でもビジネスでも利用されてしまうことが多く、職場では雑用や嫌な仕事を押し付けられることも多い。パーティーやイベントでは壁の花のような状態で無視されてしまうことも多い。

このような体験をしてきている東アジア系の人の中には一生懸命白人化しようとする人も少なくない。アフリカ系のように完全に分断された社会で生きようとする人もいる。結婚相手も友達も皆東アジア系という風になることも多いのだ。

また女子の場合は若干ましなのだが、男子に関しては非常に厳しい。他の人種に比べると体格が劣るためいじめや暴力の対象になることが少なくないのだ。学校では病院送りになるレベルの暴力を振るわれることもある。

白人社会が訴える多様性や差別反対は表層的

これは日本のメディアではほとんど報道されない東アジア系の生活の実態だ。したがって親たちは彼らが不利な立場にならないように資格職や手に職をつけてきちんと仕事で食べていけるように一生懸命教育する。

ホイ・クァンは、ベトナム戦争のさなかに家族で死線をさまよってアメリカに避難した元ベトナム難民だ。

1980年代には子役として『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』や『グーニーズ』に出演し、一時はアイドルとして大人気になったが、成長するとなかなか役がつかず武術指導のアシスタントとして映画業界にとどまり、30年ぶりに出演者として復活したという苦労人だ。

このような背景があるのにも関わらずハリウッドは彼を堂々と差別したのだ。アメリカの白人社会が訴える多様性や差別反対というのがいかに表層的なものかよくわかるだろう。