親にワーッと言われ過ぎて、フリーズ
では、レッド・ゾーンやブラック・ゾーンとは何か。
「レッド・ゾーンの根っこは“恐れ”です。不安、焦り、怒りや緊張などにより、アクセルが踏まれた状態になると、人の神経系は恐れへの対処として“レッド・ゾーン”に入ってしまいます。親が、子供に対して感情的になったり、過剰に発破をかけて勉強を促したり、勉強しない様子にイライラしたりするのは、このゾーンにいるときです。
子供がここにいる場合『怒られるのが怖くて勉強をする(戦う)』または『よい成績が出せず親に怒られるのが怖くて勉強しない(逃げる)』ことになります。そのような緊張状態が長く続くことでエネルギーが枯渇することも。
そうすると、もう子供は勉強をするどころではなくなり、親も怒ることに疲れて、『もう塾を辞めなよ』などと口走ってしまう。これが、エネルギー切れのバーンアウト、“ブラック・ゾーン”です。時には、親にワーッと言われ過ぎて子供がシャットダウンやフリーズするということもあります」
親子共に、レッド&ブラック・ゾーンにいるときは、危険信号。一刻も早くそこから逃れ、グリーンに戻るようにすることが大事だ。
園田さんによれば、常時グリーン・ゾーン内にいられれば、心の柔軟性があり、辛抱強さもある。瞬間湯沸かし器にはならないのだ。子供も頑張って勉強に前向きに取り組み、クリエイティブな気持ちになれる。「模試や塾の小テストなどでうまくいかなかったとしても、『次頑張ろう』といったエネルギーが自然とわいてくる状態です」
親がピリピリしているときは
とはいえ、親も人間だ。気づいたらレッドやブラックに振れてしまうこともあるだろう。「あなたのことを思って私が全力でサポートしてあげているのに!」といったダークサイドの感情が湧き上がってしまうケースもある。だが、大事なのは、やはり親が先にグリーンに立ち戻ろうと姿勢を見せることだ。
「なぜなら、こうした神経系の状態は伝播しやすいからです。親がピリピリ、イライラ、ムカムカしていると、そのネガティブな空気がすぐさま伝わり、子供が親に暴言を吐いたり反発したりするもの。そもそも日々、塾仲間と競い合い、合格というプレッシャーと戦っている子供の負担は心身ともに大きいでしょう。その結果、無意識にレッド・ゾーンに入ってしまえば、自己コントロール能力が不十分な年齢ですから、レッドから抜け出しにくくなる。そこで、せめて親がグリーンな状態を心がけて、プラスな伝播で、家族全体をグリーンにして、好循環にすることができます」
中学受験の合否は子供がどれくらい勉強を積み重ねるかも重要だが、見守る母親や家庭内のグリーン時間がどれだけ多く、レッド時間を最小限にできるかということも大きく影響するということなのだ。(桜田容子=取材・文)



