感情爆発を回避する方法

中学受験に挑戦する家庭で、感情爆発してしまう母親とは対照的に、心穏やかに気持ちを整え、家族みんなが納得できる「合格」へと導くことができる母親もいる。愛するわが子の人生初の受験を応援したい気持ちは一緒なのに、いったい何が違うのだろうか。

家庭でよくある親子の衝突シーンで考えてみよう。

例えば、模試の結果がひどく悪かった、もしくは成績低迷しているにもかかわらず机に向かわない子供。母親が何か言うと、「あー、ハイハイ。わかってるよ」とあからさまに鬱陶しそうな態度や行動をされる。そんな経験をした人は多いにちがいない。

この時に、いったん受け止めて冷静に対処しようとするか、逆に、瞬間湯沸かし器のごとく腸が煮えくり返って攻撃的になるか。後者は、こんなNGワードを口にしてしまいがちだ。

「冬期(春期・夏期・直前)講習に何万円出したと思ってるの?」
「そんなんじゃどこにも受からないよ」
「Aちゃんは、1日何時間勉強してこの学校に受かったらしいよ」
「そんなに勉強したくないなら、もう塾(受験)を辞めなさい」

売り言葉に買い言葉だが、子供は親に罵倒されると、より強いストレスを感じ、「頑張っているのに認めてくれない」と否定された気持ちに。モチベーションや自己肯定感がさらに低下し、成績が思うように上がらないという悪循環を招いてしまう、と園田さんはいう。

以前、娘の中学受験に寄り添ったことのある園田さんは、自身の経験も踏まえつつ「怒りや哀しみなどの感情をマネジメントするためには、親自身の身体(神経系)の状態も大きく関わっているのではないでしょうか 」という。つまり、逆に言うと、引き金となる子供の言動があっても、自分の状態次第では感情爆発を回避することも可能ということだ。

どうすれば回避できるのだろうか

Transformの活動で園田さんが必ず伝えているのが、人間が持つ3つの神経状態には「グリーン」「レッド」「ブラック」の各ゾーンがあり、自分が今どのゾーンにいるのかを把握して、軌道修正することが大切だということだ。

グリーン・ゾーンかレッド・ゾーンか

理想なのは、グリーン・ゾーンだ。

【図表1】グリーン・ゾーン
図版提供=Transform

「人間は、活動時に優位になる交感神経と、睡眠中やリラックス時に優位になる副交感神経という自律神経がうまく切り替わることで、心や身体の健康が保たれます。2つの波が適度な範囲内で波を打っているのが理想的な“グリーン・ゾーン”です。

グリーンの時はさまざまな感情が湧いたとしても、望む結果につなげられるような言動や思考の転換を行う“余白”を持っている状態です。 子供であれば、エネルギーもやる気も高まり、勉強に集中できる。リラックスした状態で心は穏やかです。その後、エネルギーは徐々に消耗しますが、きちんと睡眠を取るなどして休息を取り、“チャージ”することで、また走り出すことができます」