事例① 「9070」まで問題が長引いてしまったケース

まずご紹介するのは、私がいまの仕事に就く前に個人的に話を聞かせていただき、衝撃を受けたケースです。90代の母親と、70代のひきこもりの息子、ひろしさん(仮名)の話です。

ひろしさんは幼い頃から少し発達の特性があり、周囲と馴染むのが苦手でした。心配したお母さんは、中学卒業後の進路について、「この子には高校生活は無理だろう」と判断しました。そして、「高校へ行くのはやめて、就職しなさい」と強く勧めたのです。

ひろしさんは母親の言う通りに就職しましたが、やはり人間関係がうまくいかず、すぐに退職。その後も、母親が仕事を探してはあてがい、また辞めてしまう……ということを繰り返し、やがて完全にひきこもるようになりました。それから数十年。お母さんが「働かないのか」「外に出ないのか」と促したある日、70代になったひろしさんは激昂してこう叫びました。