「地域の開放性」が与える影響

プロジェクトでは、非常に多くのデータを収集し、さまざまな結果を得てきました。その中で興味深い結果の一つは「地域の開放性」です。移住支援策が注目されており、多くの地域で人口減少への対策として、外部からの移住者を積極的に受け入れようとしています。政策的な補助金も数多く提供され、さまざまな施策が展開されています。

田んぼに取り組む農家の家族
写真=iStock.com/recep-bg
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こうした取り組みの中で、地域の開放性が住民の幸福感や地域の活気にどのように影響を与えるのかという観点は重要でした。地域に暮らしてみたいと思う人がいる一方で、「規範意識が強すぎて縛られてしまうのではないか」と懸念する人もいます。また、地域内部の結束が強ければ「自分は仲間に入れてもらえないのではないか」といった不安を抱く人もいます。こうした懸念は本当に根拠があるものなのか、それとも単なる思い込みなのかを知る必要があると考えました。

ここで注目したのが、社会関係資本です。社会関係資本には、大きく分けて「結束型(ボンディング)」と「橋渡し型(ブリッジング)」があることを思い出してください。結束型の社会関係資本は、地域内の他者、特に身内への信頼を指します。一方、橋渡し型の社会関係資本は、地域外の他者への信頼やつながりを拡張します。これら二つのタイプのバランスが、住みやすさに影響を与えると考えられます。後者は特に開放性にかかわっています。