「為二は岡山で会社を経営して財を成し、家族もいた」

ここで注目したいのが「ばけばけ」の放送にあわせて松江市が発行した小冊子『一から知りたい小泉八雲とセツの物語』である。ここには、為二のその後について、こう記している。

セツの遠縁が後年、為二と会いました。その人物によれば、為二は岡山で会社を経営して財を成し、家族もいたそうです。

松江市の担当部署に尋ねたところ、実際、研究者によって冊子の記述の通りに為二の消息を綴った手紙は発見されているが、現状では未発表で公表されるには至っていないという。

これまでの資料だと大阪への出奔後、最後は失踪届を出されて稲垣家から籍を抜かれた(代わりに八雲の次男・巌が養子に)ことから、あたかも零落して終わったかのように思われていたが、そういうわけでもなかったようだ。