「自分の壁」を壊す最適な方法

牢獄に閉じ込められているという意味を説明しましょう。

私たち人間は、言葉を通さないと物事を考えることができません。日本語しかできないことは、日本語を通してしか物事を考えることができないということです。

日本語が真実のすべてを余すことなく表現できる言語なら、それでもいいのですが、日本語には日本語の制約があります(これは、ほかの言語も同じです)。ニーチェはその状況を「牢獄」に閉じ込められていると言ったのです。

アインシュタインも、次の名言を残しています。

The limits of my language mean the limits of my world.(私の言語の限界は、私の世界の限界である)

外国語を学べば、従来の自分とは異質なものに、容易に触れることができます。言葉はもちろん文化も考え方も異なるので、それだけ「自分の壁」を壊すのに適しています。言い換えれば、世界が広がるのです。

宮崎伸治著『英米の名著から翻訳家が発見! 世界の一流は朝・昼・晩に何をしていたのか』(青春出版社)
宮崎伸治著『英米の名著から翻訳家が発見! 世界の一流は朝・昼・晩に何をしていたのか』(青春出版社)

そういう意味では、外国語もひとつだけではなく、複数の言語を学ぶほうが「自分の壁」を壊すうえで有効であり、それだけ世界が広がります。

私は今まで10言語を学習してきました。学ぶ言語を1言語増やすごとに自分の世界が広がっていくのを実感します。それだけでなく、記憶力や集中力、読解力、推論能力が高まった感じもしています。

外国語に多少なりとも興味のある人は、ぜひ学習をはじめてみてください。

(初公開日:2025年11月12日)

《参考文献》
・アーノルド・ベネット著、渡部昇一訳『自分の時間』(三笠書房、2016)
・宮崎伸治著『50歳から8か国語を身につけた翻訳家の独学法』(青春出版社、2025)

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