今の家計継続なら老後破産の可能性
【畠中】「娘さんの習い事代が、赤字の大きな原因になっていることは自覚されていますよね。娘さんは家計の状況を理解されていないと思うのですが、理解してもらう努力はされていますか?」
【父親】「いえ、リタイアした頃に一度だけ、娘に頼んでみたことがあったんですが、それを拒否されて以来、娘とは話し合っていません。知的な問題もあるので、親のほうもつい、腫れ物に触るような感じになってしまい、娘に理解してもらう努力から逃げてしまっています」
【畠中】「ですが、特別支出を含む年間の赤字額が100万円を超えていますので(収入が月28万円に対して、支出は月35万~40万円、特別支出は年間40万~60万円)、今の家計を続けていると、娘さんに財産(現状、家族全員で2680万円)を遺すどころか、親が老後破産をしかねません」
【父親】「我が家の状況は、そこまでひっ迫しているんですね。だとしても、娘にはどのように理解させたらよいのか、思い悩むばかりで、前に進めないんです」
【畠中】「娘さんとの話し合いが難しそうなのはわかりました。いったん話を変えますね。ひとつ確認したいのですが、娘さんが障害年金を受給されていないのはなぜですか? 障害者手帳はお持ちとのことですが」
【父親】「手帳は必要だと言われて取得しましたが、障害年金については具体的に申請をしたことはありません。働くのは難しいとはいえ、外出は自由にできていますので、娘は障害年金の受給資格に該当しないと思ってきました」
【畠中】「私では正確なことを申し上げられませんが、受給できる可能性はあるかと思います。いずれにしても、障害年金に強い社会保険労務士さんに相談されてはいかがでしょうか。必要があれば、ご紹介いたします」
【父親】「障害年金については、娘ももらえるんじゃないかと思ったことはあるのですが、現役時代は、特に生活に困っていなかったので、真剣に検討しないまま、今日まできてしまいました。さっそく、社会保険労務士さんに相談をしてみたいと思います」

