佐藤総理は「君子の争い」を求めた

佐藤総理は、退陣表明2日後の昭和47年6月19日、自民党本部の総裁室に田中と福田の2人を招き、総裁選の対応について話し合った。

佐藤は、この席で初めて具体的に、田中と福田に総裁選に臨む態度についてふれた。佐藤は、大きな眼を剥いて、身を乗り出すようにして言った。

「君たち2人はこの佐藤を支えてきた二本柱だ。総裁選はあくまでも君子の争いでやってもらいたい。2人が協力しなければ自民党はだめになってしまう。どちらが総理総裁になるかわからんが、2人のうち、どっちが1位になろうとも、2位が1位に協力するということでやってほしい。ここで約束してもらいたい」