10月31日に伊東市議会の臨時議会が招集されることが決まり、新議員らによって田久保真紀市長への不信任が可決される公算が非常に高くなった。元静岡新聞記者でジャーナリストの小林一哉さんは「失職してからは田久保氏への刑事責任の追及と市長選という『田久保劇場の第二幕』が開かれる。市長選には候補者が既に乱立しており、再選の可能性も否定はできない」という――。

31日の臨時議会で田久保市長は「失職」の公算

伊東市の田久保真紀市長が10月31日の臨時議会で「市長の椅子」から引きずり降ろされることが確定した。これまでのように何らかの理由をつけて「市長の椅子」にしがみつくことはもはや不可能である。

「市長の椅子」に座る田久保市長
「市長の椅子」に座る田久保市長(伊東市HPより)

田久保氏が24日、「臨時議会の招集の拒否」という“伝家の宝刀”を抜かず、そのまま招集を告示したからである。今後、議会開催に異を唱えることはできない。

たとえ田久保氏が31日の臨時議会を欠席して市長不在となったとしても、告示通りに臨時議会は開かれ、市長の不信任決議はそのまま採択され、田久保氏は失職する。

失職と同時に田久保氏は非正規の職員を含めて約1000人の伊東市職員を指揮するトップの立場、つまり、強大な権限を有する「公職者」としての地位を失う。単なる一般市民の1人となるから、捜査当局は早い時期に田久保氏の任意出頭を求めるなどさまざまな嫌疑の解明に乗り出すだろう。

これでことし6月、伊東市長の学歴詐称疑惑から始まった「田久保劇場」の幕はいったん下ろされる。ただすぐに、「田久保劇場」第二幕が上がることになる。

11月からは出直し市長選の行方とともに、学歴詐称を巡る田久保氏の「卒業証書」が何だったのかなどが明らかにされ、そこに犯罪事実があるのかどうかの認定が下されていくのである。

いくら田久保氏が望まなくても、自らの行いの報いをすべて受けることになるだろう。