2種類の「自己責任」

そして、福祉現場でも、あるいは学生と接していても、「取るべき責任」の範囲を遥かに超えて、「取れるはずのない責任」を「自己責任」として抱え込んでいる人がいるように、私には思えてしまいます。そんな「骨の髄まで自己責任」だとしんどくありませんか? 抱え込めない責任を手放して、迷惑をかけあってもいいのではないでしょうか。

これに関して、政治哲学者の玉手慎太郎さんは興味深い議論をしています。彼は自己責任には「後ろ向き(backward-looking)」の責任と「前向き(forward-looking)」の責任の二つがあるとした上で、両者を以下のように定義しています。