松江藩の没落と元武士たちの窮状
この金十郎という男、養女を貰うのだから既に老境に入った男を想像してしまうが、この時はまだ26歳。100石だから抱える家来は2人ほどの中堅の身分で、いたって気のいい男だった。
幕末の動乱期には、京都警備の任についたがその時も緊迫している空気など気にせず、家来に好物の菓子を買いに行かせていた。この時、鳥羽・伏見の戦いに参加しているのだが、その時の様子を何度も子供たちに語って聞かせる好人物であった。
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