科学的根拠が曖昧なのに惰性で続いている

日本では、自治体にもよるが後期高齢者医療制度の下で75歳以上も無料で検診を受けられる。一見すると素晴らしい制度に思える。しかし、これが本当に高齢者のためになっているのか、私は疑問に思う。

厚生労働省の指針を見ると、がん検診の推奨年齢は基本的に69歳まで。75歳以上は明確な対象になっていない。にもかかわらず、多くの自治体が独自判断で無料で検診を続けている。統一的な基準もなく、科学的根拠も曖昧なまま、惰性で続いているのが現状だ。

がん(Cancer)と書かれた新聞
写真=iStock.com/ardasavasciogullari
※写真はイメージです

その結果、何が起きるか。不必要な検査、過剰診断、そして過剰治療。医療費は増大し、高齢者の生活の質は低下する。誰も得をしない仕組みが続いているのだ。