父は1時間後に苦しみながら絶命した

蛇行が始まってから衝突現場までの距離は約10キロ、その間、トラックを左に寄せて休憩をとれる場所は何カ所もありました。

加害者は眠気を自覚し、蛇行運転に陥っていることを認識していたにもかかわらず、自車を停止せず走行を続けました。そして、約10分後、緩やかな左カーブで、制限速度をオーバーしたままブレーキもかけず、そのままセンターラインを越えて対向車線へ突っ込んでいったのです。

交通事故の現場
遺族提供
事故直後の現場

「裁判で映像を見た時、事故の場所が近づくにつれ私は心拍数がどんどん上がるのを感じました。そして、最後に響く激しい衝突音と、対向車を押し返すときの金属音、タイヤのスリップ音……。本当に、心臓が握りつぶされるような感覚でした。あの一瞬で、父は両足ともに膝から下がほとんどちぎれ、骨盤骨折、多発内臓破裂、胸のかたちも変形していました。それでも、目撃者の話によると、父はしばらくうめき声をあげていたそうです」