熱波は人々のネガティブな感情を波立たせる
熱中症の増加による死者数の増加だけではない。熱は、サウナで体験するような息苦しさとなって、私たちの身体を取り囲み、逃れる隙を与えない。まといつき、茹だるような熱波は人々のネガティブな感情を波立たせる。暑くてイライラしたり、怒って人に強く当たってしまったり、普段なら流せる何気ないことに嫌味をいってしまったり、という後悔もあるだろう。
実際にそのことを調べた興味深い研究がある。先月発表された「上昇する気温が世界の人々の感情に及ぼす不平等なインパクト」(Unequal impacts of rising temperatures on global human sentiment)というタイトルの論文では、世界157国、67言語にわたるX(元Twitter)とWeibo(中国発のSNS)の12億件のポストを調査することで、温度上昇が人々の投稿内容にどのような影響を与えているかが調査されている。予想通り、温度が高くなるほど人々のネガティブ感情に関わる投稿は増加していた。
しかも、「不平等なインパクト」とタイトルにあるように、ネガティブ感情の増大は、国の経済状況と関係していて、とりわけ低所得国ほど、人々の暗い感情が強くなっていたのである。実際の数値でいえば、低所得国では25%、高所得国では8%の感情悪化が見られた。つまり、経済状況によって3倍近くも異なるのだ。
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