米国とは逆の方向で進展を図る中国

欧州では、欧州AI法などの規制がヘルスケア分野にも適用されており、X線画像データが個人情報と結びつかないよう匿名化するなど、厳格なデータ保護が求められています。このような規制の枠組みの中でも、生成AIのヘルスケア分野での活用は着実に進展しています。具体的には、ドイツでは肺がんの早期検出プログラムが導入され、フランスでは医療画像データの協調プラットフォームが構築されるなど、規制に準拠しながら革新的な取り組みが行われています。

生成AI分野で存在感を示してきている中国は、米国とは逆の方向で国家計画ありきでのAIヘルスケアの進展を図っています。少子高齢化がこれから加速する中国では、2030年に向けた健康計画の中で、ヘルスケアへの生成AIの適用を国家として投資して推し進めるのです。そうした計画に中国のビッグテックであるJD.com(京東商城、ジンドン)やテンセントなどが協力する体制です。

2023年10月時点で、約50の医療向けLLMが公開されるほか、第14次五カ年計画ではAIとバイオメディシンを重点領域に置き、国家AIラボの設立や医療AIの実用化を推進しています。また、保険などのフィンテックとAIヘルスケアを結びつけた、データ駆動型の保険商品や医療金融サービスの開発にも力を入れていることが特徴です。