宗教学者・文筆家 島田裕巳氏

2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに、無縁という言葉の持つイメージも急変した。この日、三陸海岸や仙台湾沿いを有史以来の大津波が襲い、街を根こそぎに壊し、万を数える犠牲者を流し去った。

親戚縁者の全員が津波に呑まれ、1人だけ生き残った人もいるだろう。その人こそ本当の無縁である。