沖縄県で米軍普天間飛行場移設の是非を問う県民投票が行われ、「反対」多数の結果が出た。これを受け、朝日新聞・毎日新聞を代表とするリベラル系メディアは、「政府は沖縄の民意を聞け」と意気盛んだが、その主張はご都合主義的で説得力がない。では、本当に事態を動かすためには何が必要になるか。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(2月26日配信)から抜粋記事をお届けします――。

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相手を動かすための武器としての「論理」

※写真はイメージです。(写真=iStock.com/bee32)

2月24日、沖縄県の米軍普天間飛行場の移設計画をめぐって、同県名護市辺野古沿岸部の埋め立ての是非を問う県民投票が行われた。

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辺野古移設については色々な意見がある。僕は賛成の立場だけど、今回はその賛否について論じない。自分の結論を導くための論理(ロジック)について、論じたい。

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この相手を動かすための「論理」で一番やってはいけないことは、先ほども言った「ご都合主義の」論理。すなわち、「あんた今はそう言っているけど、あのときはこう言っていたじゃないか!」と簡単に突っ込まれてしまう論理だ。

相手を批判するときには、○○という論理を使っていたのに、自分を正当化するときには○○とは真逆の論理を使う。また自分の利益を導くために○○という論理を使っていたのに、相手に利益が出そうになると○○という論理を使わない。こんなことじゃ、相手は動いてくれない。

まず一本筋の通った論理を構築する。そして「この論理に当てはめると、たとえ自分が不利な結果になってもそれは当然受け止める。だからこの論理に当てはめて、あなたが不利になる結果になったとしてもそれを受け止めてもらいたい」。

このように、この論理を使えば「自分が不利な結果になっても受け止める」という覚悟が相手に伝わって、はじめて相手はその論理を受け容れてくれる。「自分の利益になろうと不利益になろうと、この論理を使うんだ」という「フェア」の態度こそが、相手を動かすために必要不可欠かつ重要なポイントとなる。

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