自己破産が相次いだ「かぼちゃの馬車事件」
2018年には「スルガショック」「かぼちゃの馬車事件」と呼ばれた巨大不正融資事件がありました。
かぼちゃの馬車とは、株式会社スマートデイズが企画・販売していた女性専用シェアハウスのブランド名です。「賃料30年保証、利回り8%」といったうたい文句に、不動産投資家は、スルガ銀行から1億円ほどの融資を受け、続々とかぼちゃの馬車を購入したものの、サブリース契約を締結したスマートデイズはわずか数年で経営破綻。スマートデイズに賃料の支払いを滞納された不動産投資家はローンの返済ができなくなり、自己破産が続出。「かぼちゃの馬車事件」として社会問題にまで発展しました。
驚くことに、1000人を超える被害者の不動産投資家のなかには、医者や弁護士、大学教授といった社会的にステータスの高い人たちが数多く含まれていました。その道の一流の人であっても、金融リテラシーの欠如により、こうした被害にあってしまうのです。
富裕層が不動産投資で見ているポイント
では、富裕層が不動産投資をする際、どこを見て、どんな物件を購入しているのでしょうか。
たとえば、とある富裕層の人は、こんな条件を挙げています。「築年数は気にしない。それよりも、メジャーなエリアで駅から徒歩5分圏内の物件にこだわる」。築年数が古くても、リノベーションをして整えている限り、退去者が出ても利便性のよさからすぐまた次の入居者が決まるので空き室の心配をしなくていい、メジャーなエリアの見極めについては長期にわたって需給がきちんと見込めることが大切で、人口や乗降客数が安定していたり増加していたりするようなところを見ています。また、当然ながら公示価格などの不動産の直接的な指標の動向も見ています。