テレビタレント志向ではないから、優勝後も参戦を決めた

ラリー遠田『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)

さらに言うなら、ほかの芸人は「M-1」を売れるための手段だと考えているようなところもある。「M-1」で優勝すれば、それをきっかけにしてテレビにたくさん呼ばれたりして、そちらで活躍できるようになるかもしれない。ほとんどの芸人はそのコースを目指しているので、優勝した後でわざわざ再出場して無駄な苦労を背負う気にはならない。

だが、令和ロマンはテレビタレント志向の芸人ではない。だからこそ彼らは何の迷いもなく「M-1」再挑戦を宣言できたのだ。

血と汗と涙ではなく、お笑いへの純粋な興味や好奇心と戦略でつかんだ勝利。令和ロマンは、これまでのお笑い界の常識を覆す新時代のチャンピオンとなった。

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