いかがだろうか。2017年3月の都議会ではこうした問答があったのだ。そもそも「朝鮮人虐殺はなかった」という学説は存在しない。しかし小池都知事は「いろんな史実として書かれているものがございます。どれがどういうのかというのは、まさしく歴史家がひも解くものではないだろうかと」と言い続けるようになる。事実とデマを並べて「いろいろな史実がある」と。
都知事には説明責任がある
繰り返すがこの経緯は、虐殺はなかったと主張するトンデモ本を自民党都議が小池氏に「紹介」し、小池氏が「私自身が適切に判断する」と答弁したことからだ。そして半年後に追悼文を取りやめた。どう考えても都知事には説明責任がある。
ちなみに冒頭に記した7日の会見で「報道特集」のキャスターが「追悼文を出さないということは、小池さんは語り継ぐことの重要性をあまり感じていないということか」と質問すると、
「東京大空襲など、被災された方々の重要な証言などを受け継いでいる作業も今も行っております」
と小池氏は完全に話をずらした。「(朝鮮人)虐殺についてはどうなんですか」とさらに問われると、
「この東京で亡くなった様々な災害において空襲も含めてでございますし、そういった方々の霊を安らかにということで…え…この…慰霊の…行事を毎年重ねております」
後半はしどろもどろ。はっきり説明できないことを7年間も続けている。小池氏も朝鮮人虐殺をなかったことにしたい人なのか? 歴史から目を背ける都知事でよいのか。もし小池氏が都知事選に出馬したら私も街頭で直接質問してみたいと思う。他の候補者にも追悼文への対応について聞いてみたい。これも都知事選の重要な論点では?