安全で金利アップも期待できる「変動10年」
3年以上の期間を安全に運用したい場合のオススメは「個人向け国債」です。国債は国が発行する債券で、利息と元本の支払いを国が責任を持って行います。投資信託の運用先にも「債券」が出てきましたが、国以外にも自治体や企業が発行する債券があり、債券市場で取引され値動きしているのです。
個人向け国債がオススメなのは、債券市場の値動きの影響を受けないこと。債券を満期まで持たずに中途解約すると、元本割れする可能性もあるのですが、個人向け国債については国が元本での買い取りを保証しているので、安心して購入することができます。発行から1年は解約できませんが、1年経過すれば中途解約が可能に。ただし、直前2回の利息相当額が解約手数料となるので、1年程度で解約するのは避けたいものです。
定期預金と比べても金利が高いことも魅力です。個人向け国債には、10年満期で半年ごとに金利が見直される「変動10年」、5年満期で5年間金利が変わらない「固定5年」、3年満期の「固定3年」の3種類がありますが、これから買うなら「変動10年」がオススメ。金融政策が変わって金利上昇の兆しが出てきましたので、半年ごとの見直しで金利アップが期待できるからです。
なお、国債には「新窓販国債」というのもあり、こちらも買うことができます。しかし、こちらは一般的な債券なので、元本は保証されていません。債券の価格は金利情勢が上向くと下がるという動き方をします。金利上昇の芽が出てきたいま、今後は債券価格が下がる可能性大なので、間違えて新窓販国債を買わないように注意しましょう。
iDeCoの目的は老後の年金資金作り
最後に、新NISAと比較して語られることの多い「iDeCo(イデコ)」についても触れておきましょう。
iDeCoは自己責任で年金資金を作る確定拠出年金制度のひとつ。勤め先が従業員のために用意する「企業型確定拠出年金」に対し、個人が加入したい金融機関を選んではじめる「個人型確定拠出年金」がiDeCoです。どちらの制度も、加入する本人が積立商品(主に投資信託、元本確保型の定期預金や保険商品も用意されている)を選んで、年金資金を積み立てていきます。
投資信託での積み立てという点が似ており、新NISAとiDeCoがよく比較されますが、iDeCoはあくまで年金資金作りが目的の制度です。したがって、積立金は60歳以降でないと受け取りできません。運用益が非課税になるだけでなく、所得税・住民税の節税もできるなどiDeCoの税制メリットは大きいのですが、途中解約できない点に十分留意する必要があります。
その点、新NISAはいつでも解約できるため、いろいろなライフプランの資産作りに利用できると言えるでしょう。