3年後など、比較的近い時期にライフプラン実現を予定している場合は、必要な金額から貯めるべき金額を計算し、安全に積み立てていきます。たとえば、3年後に60万円必要なライフプランがある場合、毎月1万円、ボーナス時に4万円貯めれば可能です(1万円×36カ月+4万円×6回=60万円)。手元にある資金であれば、たとえば3年満期の定期預金などで安全に運用しましょう。

5年以上先に使う予定の資金準備に新NISAを

なかなか新NISAの出番がありませんね。ライフプラン実現の予定が5年以上先であれば、ようやく一部は新NISAの利用を検討してもOKです。途中の値動きがあっても、預金金利以上の収益を期待できるからです。ただし、値下がりしている時期にあたってしまうリスクもあるので、安全な資産作りと併せて行う必要があります。

投資は将来の成長を期待して行うものです。とはいえ、株式市場は90年代に入ってからのバブル崩壊で長らく低迷し、バブルピーク時の高値を抜くのに34年かかりました。将来のことは誰にもわかりませんから、どんなに新NISAが魅力的な制度であっても、安全に資金を確保しておくことも大切なのです。

かといって、10年以上も先のライフプラン、たとえば生まれたばかりの赤ちゃんの大学進学や、先々の老後への備えなどが考えられますが、それらのための資金を安全一辺倒で貯めていっても、増えるパワーがありません。運用期間が長くとれるライフプランの場合、途中でバブル崩壊のような不測の事態が起こっても、対応次第で立て直しができます。

安全に確保できている資金が十分あり、長期の運用が可能なライフプランであれば、メリットある新NISAを利用しない手はありません。

【図表1】ライフプランの例と適切な資金計画

初心者に「投信の積み立て」がオススメなワケ

はじめて新NISAを利用するという方は、たぶん投資もやったことがないという方が多いと思います。新NISAの成長投資枠では株式にも投資できますが、いきなり株式投資はハードルが高すぎます。「投資信託」(投信、ファンドとも呼ぶ)に注目しましょう。

投資信託は、多くの人から集めた資金を運用の専門家が日本や海外の株式、債券、不動産などに投資し、その収益を購入した人に還元する仕組みの金融商品。少ない資金でも幅広い対象に投資することができる、投資に不可欠の情報収集や分析を専門家に任せられる、新興国など個人には壁がある市場にも投資できる、といったメリットがあります。

はじめて投資信託に投資するのであれば、日本を含めた世界の株式、債券、不動産で運用する「バランス・ファンド」のような、投資対象を幅広く分散するものがいいでしょう。異なった種類の投資対象に分散して投資するのが、リスクを抑える鉄則だからです。