水田に撒くと、何が危険なのか?

スクミリンゴガイは、1981年、食用の目的で台湾から日本に輸入されました。

ジャンボタニシと呼ばれる俗称でご存じの方も多いと思いますが、アップルスネール(Apple Snail)と英語で表記され、観賞用で販売されていることもあります。

スクミリンゴガイはやわらかい水稲の苗を食べて育ちます。そのため、食べられた部分の稲はなくなり、ポッカリと穴あきだらけの水田となってしまいます。

たくさんの卵から産まれた貝が食害するので被害が大きく、成長するにつれより大きな稲も食害するため、米の収量減につながります。

かつては全国500カ所の養殖場

南米を原産地(*2)とするこの貝は、日本では長崎県と和歌山県に食用として導入され、すぐさま全国で500カ所ほどの養殖場ができ、各地で生産されました。

しかし、水稲をはじめレンコン、イグサなどの水田作物を食害することから1984年に植物防疫法によって有害動物に指定され、輸入が禁止されました。

廃棄された養殖場に放置された貝は水路や水田に入り込み、野生化してしまいました。2000年時点での全国の発生面積は、6万6000ヘクタールにも及んでいます。

産卵期間は4~10月ころまでで、1匹のメスが年間20~30回も産卵します。3~4日に1回、卵塊を産む計算になります。そして、1匹のメスが年間に産む卵の数は3000個以上にもなるのです(*3)

とても繁殖力が旺盛で、みるみるうちに増えるので非常にやっかいな存在です。