仕事の結果が劇的に変わる配分とは

どのくらいのペースで話せば5分になるのかは、実際に声を出して時間を計ってみないとわからないのです。

もし、パワーポイントにアニメーションをたくさんつけるなら、アニメーションの数の分、操作しながら話す練習が必要です。

資料を作ることに一生懸命になりすぎて「資料を使って話すのは本番が初めて」という人はだいたい失敗します。

事前に練習すれば気づけるはずです。

30分話すためのパワーポイントのアニメーションのタイミングをすべて暗記することが、いかに至難の業であるか……! 緊張する本番では、さらに難易度が上がることも予想できるでしょう。

内容、構成、時間配分、資料作成、服装などなど、たしかに準備をすることは大切です。

しかし、これらの準備は練習がセットになって初めて意味があることを忘れないでください。

そして、緊張しても話せるようになるためには「準備<練習」で過ごす習慣をつけましょう。

頭で考えて手を動かす準備に時間を費やすのではなく、声に出して練習する時間を多くしてください。

スポーツ選手をイメージするとわかりやすいと思います。

いくらバットやボールを磨いてピカピカにしても、いくら新しいユニフォームに身を包んでも、準備をするだけでは試合で活躍することはできません。実際に体を動かして、汗をかいて、やってみて、そして初めて試合で活躍できるのです。

「準備<練習」

この配分で過ごせるかどうかで、結果は劇的に変わりますよ!

スラスラ噛まずにただ読み上げていく練習は、本番で逆効果

練習時間を確保する大切さについて紹介しましたが、練習は「ただすればいい」というものではありません。

よくやってしまいがちな練習方法が、ひたすら台本を読むという方法です。

台本を声に出して読み上げる練習をすることを、私は略して「読み練」と言っています。読み練は、必ずした方がいいです。

しかし、読み練の仕方には注意をしてください。

読み練をする際、最初から最後まで駆け抜けるように、ただただ読んでいく人がいます。間もなければ、抑揚もありません。ただ、スラスラと噛まずに早口で読んでいくのです。

これは、現実とかけ離れた読み方なので、効果的な練習にはなりません。

練習中はスラスラ噛まずに読めて達成感があるかもしれませんが、いざ本番で緊張するとそうはいきません。スラスラ早口で読むクセがついてしまうため、本番でも早口になります。さらに、緊張と早口が重なると噛みやすくなるので、練習では言えていたはずの言葉でも、本番で噛んでしまうことが多々あるでしょう。

このように、スラスラ噛まずにただ読み上げていく練習は、本番で逆効果なのでオススメできません。

写真=iStock.com/VASYL MYKHAILENKO
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