不正に嗜好品を作る輩がいる

「バナナの皮で、タバコができるんだよ」

え? え? どういうことですか? 上司の言うことが理解できずに面食らった。

スマホで「バナナ タバコ」で検索してみたところ、出たよ、出たよ。バナナタバコの作り方が……。

刑務所ではタバコなんて吸うことができない。だから、受刑者らの中には給食に出たバナナの皮を使って、不正に嗜好品しこうひんを製作しようとする輩がいるらしいのだ。

そのため、バナナタバコは別名「刑務所タバコ」と呼ばれているらしい。

写真=iStock.com/Khanchit Khirisutchalual
別名「刑務所タバコ」と呼ばれている(※写真はイメージです)

アルミ箔包装の食品もご法度

「そんなバナナ?」と突っ込みたくもなりますよね。フルーティーでヘルシーなイメージさえもってしまう。タバコが高い今、作ったら売れるんじゃないかとさえ思ってしまう。しかし、タバコを作ったって火がなければ吸えないじゃないか。

ここでまた、新たな問題が生じる。タバコができたら、今度は何とかして火を得ようとする。これまた、室内にあるコンセントを使って火花を出す方法があるらしい。

それに必要なアルミはく包装の食品も給食で出すにはご法度なのだ。

だから、炊場にはアルミホイルがない。食品でいうと、セロハンで包まれたスライスチーズなら出せるが、学校給食でよく出されるひと口サイズのアルミ包装のチーズは出せない。火なんて出されたら火災の危険性もあるわけで、大事件になってしまう。

そんな刑務所生活の楽しみ方は、長い刑務所の歴史の中で脈々と受け継がれているというから驚きだ。

使ってはいけない食品はまだまだある。