テストステロン値が低くなるとQOLが著しく低下する

LOH症候群の外部要因としては肥満、飲酒、喫煙も挙げられます。ただし、禁煙でさらにテストステロン値が低下する場合もあるため、医師と相談の上取り組みましょう。

LOH症候群は、カウンセリングと血液(主にテストステロンの値)・尿・唾液検査などから総合的に診断します。テストステロンは男性ホルモンの主な構成成分で、筋肉や骨の強化・生殖機能・認知機能の維持が主な働きです。この値が低くなると性機能障害、認知機能・気分障害、筋肉量の減少、内臓脂肪の増加、インスリン抵抗性を介したメタボリック症候群、貧血、骨密度の減少が生じ、男性のQOLを著しく低下させます。

テストステロンの95%は精巣で作られ、加齢とともに減少します。40歳の2~5%、70歳では30~70%にテストステロン値の低下が見られるといわれています順天堂大学医学部附属順天堂病院泌尿器科ウェブサイト

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女性よりも「うつ症状」が現れやすいのが特徴

症状の評価はAging Male Symptom (AMS) scoreが国際的に汎用されています。AMSは精神・心理、身体、性機能について17項目のセルフアセスメント型の症状スコアで、17項目についての5段階評価を総計し、合計26以下は正常、27~36は軽度の症状、37~49は中等度の症状、50以上は重症としていますMAZE MEN’S SEXUAL & REPRODUCTIVE HEALTH AGING MALE SYMPTOMS SCORE (AMS)〕

前述のとおり、LOH症候群は女性の更年期障害と比べ、うつ症状が現れやすいことも特徴です。ほかには、なんとなく調子が悪いといった健康感の減少や、興味や意欲の喪失、不眠、不安感のほか、怒りっぽくなったり、集中力や記憶力の低下などが挙げられます。性欲の低下に加え、これらの症状に3つ程該当する場合はLOH症候群の可能性が高いと考えられるため、医療機関の受診をお勧めします。