地上波のテレビ局が絶対に流さない「本当のこと」

最近はインターネットテレビ局も勢いをつけてきているとはいえ、現在のところはまだまだです。私がもしネットテレビで番組をつくるとしたら、地上波のテレビ局が流さない「本当のこと」がわかるニュースショーを企画すると思います。現時点では、そのようなYouTubeを続けています。影響力はまだまだですが。

たとえば、韓国や台湾ではパチンコの換金は法律で禁止されているということを、どれだけの人が知っているでしょうか。日本では、これを口にするとテレビのコメンテーターを干されるので、誰も口にしません。

日本はテレビによって、「情報鎖国」と言っていい状態になっています。この状態が続く限り、たとえ将来、海外でほとんどの国がベーシックインカムを導入したとしても、その情報は多くの日本人の耳には届かないはずです。

そして、テレビが扇動する「働かざる者食うべからず」の論理にしたがって、「AIに代替されて失業した人は自己責任」という世論が形成されていくでしょう。

最終的に、他国がベーシックインカムで暮らせる国になっても、日本だけは失業者は自己責任で、生きるためには「殴られ屋」か売春婦にでもなるしかない国になると思います。

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AI時代の「負け組」の末路

生活保護費の対GDP比率が、OECD加盟国中で最低レベルであるにもかかわらず、生活保護費を出し過ぎているとテレビが報じ、コメンテーターが同調して受給者バッシングが起きる国ですから、そうなるのは必然とも言えます。

AIによって失業した人が、路頭に迷ってうろうろしていたら、「勝ち組」の人間から「1000円やるから一発殴らせろ」と言われる。

食べるために言うことを聞いて、大けがをさせられ、本来なら傷害罪で訴えることができるのに、法律を知らないために「金を払っているから示談が成立している」と丸め込まれる。

挙句の果てに「まさか生活保護を受けて、俺たちの税金で食う気じゃないだろうな?」と恫喝どうかつされる。それがAI時代の「負け組」の末路です。

ものを知らないと、どこまでもみじめな目に遭い続けることになります。生活保護は本来、憲法で守られた国民の権利ですし、消費税が導入されて以来、税金を払っていない人はほぼ皆無です。にもかかわらず、「勝ち組」の振りかざす論理に反論できず、言いなりになるしかありません。

アメリカなら失業しても、対GDP比率で日本の3倍近い生活保護費が支給されている上に、うなるほどある寄付財団が救いの手を差し伸べてくれます。イスラムの国では、ラマダン(断食月)の時期には貧者に対して積極的に寄付や施しが行われます。

これほど弱者や貧しい人に厳しい国は、日本しかないと言っていいくらいです。この国では、「勝ち組」にならないと大変なことになります。唯一の救いは、多くの人が勉強していないので、少し勉強するだけで「勝ち組」になれることです。