流通段階で積み重なる「4つのコスト」
図表1は、ガソリンのコストを図解したものです。
ガソリンのコストは4つの流通段階でコストがかかっています。
1.産油国から日本の製油所まで
日本のガソリンは主にアラブ諸国産油国から輸入された原油を精製して作られています。産油国から買う原油代、そして日本へタンカーで運ぶ船賃、これに石油石炭税がかかります。
2.精製コスト
日本に到着した原油は石油元売会社の製油所で加工され、ガソリンとなります。ここでは石油会社の精製コストがかかります。
3.物流コスト
製油所で完成したガソリンは油槽所を経て、タンクローリーにてガソリンスタンドへ運ばれて行きます。街で石油会社のロゴ入りのタンクローリーが走っているのを見かけると思います。あれがガソリンを運んでいるローリーです。運ぶためのコストがここで加算されます。
4.ガソリンスタンドから消費者へ
ローリーからガソリンスタンドへ運ばれたガソリンはようやく消費者へ届けられます。ここで、ガソリンスタンドの運営コストとガソリン税、さらに消費税がかかった価格が、私たちが購入するガソリン価格となります。
石油石炭税にガソリン税、消費税…
では、実際に、各段階でどれくらいのコストがかかっているかシミュレーションしてみましょう。
原油が1バレル80ドル、為替が150円/ドルの場合で想定してみます。
1バレル80ドルの原油は日本円にすると75.5円/リットル。これにタンカーの船賃3円/リットル(約2ドル/バレル)と石油石炭税2.8円が加算されます。
ここまでで、81.3円。
これに製油所での精製コスト約10円/リットル、製油所からガソリンスタンドに運ぶまでの物流コスト約3円/リットルが加算されます(いずれも筆者推定値)。
ここまでが81.3円+10円+3円=94.3円/リットル。
ガソリンスタンドでは、ガソリンスタンドのコスト(ガソリンスタンド特約店の利益。筆者推定値)約10円に、ガソリン税53.8円/リットルが加算されます。
ここまでで、158.1円/リットル。