金や不動産などの「オルタナ投資」
また、株式や債券だけでなく、いわゆる「オルタナ投資」が広がったのもこの時期でした。
「オルタナ」とは、日本語で「代わり」を意味する「オルタナティブ」の略語です。資産運用の世界では、株式や債券の「代わり」となる、金や不動産、ヘッジファンドやベンチャーキャピタルへの投資を指します。
株式や債券に留まらず、さらに分散のレベルを上げるために、年金基金など巨額の資産を運用しているプロの投資家が、資産全体の一部を「オルタナ投資」に回すようになりました(図表7)。
過去40年ほどの間に、分散投資の対象は多様化してきました。10年単位で見ても方法が変わっていることからわかるように、今後も、同じ分散投資の方法が最適であり続けるとは限りません。
時代の変化に応じて、分散の方法を定期的に見直していくことが重要だと思います。
米国株だけに投資するのは正解なのか?
本稿では、一括であれ、積立であれ、投資は「長く続ける(長く保有する)こと」が大事であること、また、特定の資産に集中して投資をしないことが重要であることを説明しました。
最近は、つみたてNISAで米国株を対象とした投資信託が人気を集めたこともあり、「米国株だけに投資すればいいのではないか」という意見をいただくことが増えました。新NISAの投資先としてふさわしいのは「全米株か、オルカンか」という議論が起こってもいます。
しかし、実際にはさまざまな資産に分散して投資することが重要です。その理由は、特定の資産が長期で高いリターンを得られるとは限らないからです。