無加工に価値を見いだす
3つ目のタイプは「ありのまま欲求」です。SNS上に加工した写真や映像があふれかえったことから、今、Z世代の間では、逆に加工していないありのままの自分を見せたい、投稿者の素の姿を見たいという欲求が高まっているようです。
具体的には、これまで顔やダンス中心の投稿をしていた投稿者が地声で歌う「声出しチャレンジ系」、無加工であることの証明をつけて投稿される「無加工エビデンス系」などがあります。
例えば、TikTokには「無加工フィルター」というフィルターがあります。この機能を使って撮影すると動画の中にその旨が記載されるので、無加工であることの証明になるというわけです。
また、iPhoneの純正カメラアプリには顔を加工するエフェクトがありません。そのため、このアプリで撮影していることがわかるように、撮影画面の録画を投稿することで無加工を証明している動画もあります。これを使った人気投稿のひとつはカップルの日常を投稿しているソラさん(@soralani__)の動画「何年経ってもキュンキュンです」です。これまで400万回再生され、26万以上のいいねがつきました。
ここ数カ月、Z世代の間では、加工なしのリアルな写真を投稿するアプリ「BeReal.」もよく使われるようになっています。今後、加工全盛期はひと段落し、そのアンチテーゼとして生まれた「ありのまま」が共感を集めていきそうです。この変化からどんな新しいトレンドが生まれるのか、注視していきたいと思います。(再生数・いいね数は1月末時点)