景観にこだわった住宅街がさらに人を呼ぶ
人口増加の理由は、それだけではもちろんない。写真にこだわったことで生まれた景観も大きなポイントになっている。「写真映りの良い町」を考えると、いい加減な町づくりはできなくなる。
写真の町の拠点となる東川町文化ギャラリー、図書館機能を備えた複合交流施設せんとぴゅあII、東川小学校・地域交流センターその他、どこを訪れても美意識が行き届いており、それは小さな看板にまで及んでいる。
そのセンスに共感する人たちが移住してくると考えると、町は年々美しくなり、それがまた移住者、来街者を呼ぶ。
「東川町には町の魅力に共感された方が多く移住されており、移住者を呼び寄せるためにはいかに共感していただけるかが重要と考えています」(税務定住課の吉原敬晴課長)
町がこだわった住宅地は美しいの一言
東川町では2002年に美しい東川の風景を守り育てる条例を制定。2005年には景観行政団体に指定されている。
その年に景観にこだわって宅地分譲された住宅地、グリーンヴィレッジを見学させていただいた。
南北の住戸の間に15mもの緑道を挟んで作られたぜいたくな住宅地は美しいの一言だ。
町が定めた住宅設計ルール(「東川風住宅設計指針」)には細かい定めがある。
屋根は三角にする、壁は淡い色にして、壁面には木材をある程度以上使うことなどを守れば、カーポート、物置など住戸の前に作る建物に助成が出る仕組みだ。これにより、住宅の外観は統一が図られている。
周囲がきれいだと、わが家もきれいにしないとという意識が働くためか、どの家も本当に絵になる。ここに住みたいと思う人が多いのは当然だろう。