大学を卒業してないのになぜ大学院に進学できるのか?
こうした流れを見て、口の悪い人の中には「学歴ロンダリング(出身校よりも高いレベルの大学院に進学して最終学歴をよく見せること)ではないか」とささやく者もいる。
修了生はすでに名前を挙げた者以外にもスポーツ関係者やメディア関係者が多い。いずれも社会人としてのキャリアを評価されて入学しているわけで、学歴ロンダリングと揶揄される筋合いはないだろう。田村淳さんも「慶應大学大学院卒」という学歴を得たが、それを番組で打ち出すわけではなく、これまでに築いたキャラクターを超えるものではない。
なお早稲田大学大学院スポーツ科学研究科の修士課程1年制はエリートコーチングコースを除く5コース(トップスポーツマネジメント、スポーツクラブマネジメント、健康スポーツマネジメント、介護予防マネジメント、スポーツジャーナリズム)。通常2年間かかる修士課程を1年間で修了することになるため、原則ほぼ毎日ある授業(早稲田キャンパスを中心に平日夜間および土曜日に開催される)を受ける必要がある。
気になる学費は入学金(登録料)などを含めて総額152万円ほどだ。合格したとしても修了するまでは費用と時間を費やして、限られた期間で修士論文を完成させなければいけない。かなりハードな1年を過ごすことになる。決して安易な気持ちで、入学することはできないだろう。
なお早稲田大学のサイトによると、同研究科では人材の養成を以下のように考えている。
1 スポーツ医科学の専門知識を生かした学術研究者および高度職業人の育成
2 スポーツ文化の発展に貢献することのできる学術研究者および高度職業人の育成
3 スポーツビジネス実務者への高度専門教育を通じてのスポーツ界をリードする高度職業人の育成
すでに確固たる地位を築いている恵俊彰さん、川口能活さん、福西崇史さん、五郎丸歩さん、荒木絵里香さんが修了した後にどんな“進化”を見せるのか。ただの自己満足ではなく、大学院で学んだことを世の中に還元できるような活躍を期待せずにはいられない。