中国人の意識を変えた「爆買い」ブーム

ここで少し中国の即席麺について紹介すると、中国では日本のように調味料(醤油、味噌、塩など)の味でジャンル分けしたものではなく、中華料理(紅焼牛肉、西紅柿鶏蛋、香辣牛肉など)の味でジャンル分けされている。日本同様、袋麺タイプ(5個パックなど)やカップ麺タイプ(普通サイズやビッグサイズ)があり、スーパーでは日本の何倍もの広い売り場で売っている。スーパーやメーカーによって異なるが、袋麺タイプ(5個パック)は13~20元(約190~380円)くらい、カップ麺は5~9元(約95~170円)くらいだ。

筆者撮影
カップ麺の価格は5~9元(約95~170円)のものが多い

余談だが、中国のカップ麺はプラスチック製のフォークがカップの中に入っており、外出先でもお湯さえあれば食べられるようになっているのが大きな特徴。以前は空港やターミナル駅の売店では必ずカップ麺が売られており、搭乗前に椅子に座って食べている人が非常に多かった。あちこちに給湯器が設置されており、お湯を簡単に手に入れられることと、空港などの飲食店があまりにも高くてまずかったから、仕方なくカップ麺で腹ごしらえしていたという人が多かった。

ところが、2014年ごろから、中国人の海外旅行ブーム、いわゆる「爆買い」が始まり、この現象をきっかけとして、彼らの健康に対する意識は、それまで以上に大きく変わり始めた。海外の観光地を見て回るだけでなく、ネット検索で海外のさまざまな情報を入手し、海外の社会やそこで暮らす人々の生活ぶり、健康意識などを初めて観察するようになり、知識と経験が増えていったのだ。

日本の青汁やサプリで健康に目覚める人も

とくに大きな影響を受けたのが隣国の日本だ。中国人の海外旅行先として常に上位に入っており、日本でも中国人の「爆買い」は話題になったが、彼らが日本で最も多く買っていたものの一つが医薬品や健康食品だった。

中でも日本ならではの商品として中国で有名になったものが「青汁」などの健康食品やサプリ。購入した彼らはその効果を実感したり、中国に住む祖父母や親戚などに配ったりするようになり、中国に帰国後もネット販売で定期的に購入する人が増えた。