中学生以降の子どもの体力は親の学歴に比例する

次に、家庭の社会経済的条件の中で親の学歴(文化資本)及び職業と子どもの体力・運動能力との関連について検討します。図表11は、中学生のデータを用いて父母の学歴別(大卒以上、短大・高専・専門学校卒、高卒の三分類)に体力の総合点を比較したものです。

幼児及び小学生については、両親の学歴による体力の有意な差は認められませんでしたが、中学生では父・母ともに学歴の高い親の方が低い親の子どもよりも体力が総合的に高い傾向が見られました。他方、両親の職業については、今回の調査データからは顕著な体力差は確認されませんでした。

保護者に友達が多いほど子どもの体力は向上する

続いて、親の社会関係資本と子どもの体力の関連について検討します。社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)は、近年、健康格差にかかわる研究分野で特に注目をされている概念です。

清水紀宏編、春日晃章、中野貴博、鈴木宏哉『子どものスポーツ格差 体力二極化の原因を問う』(大修館書店)

そこでは、地域の人々との交流・つきあいや組織・団体への参加を通じて形成された、人々への信頼やパーソナルネットワーク、そして地域における互酬性の規範などが蓄積されている個人や社会の方が健康によい行動をとる傾向があることがわかってきています。要するに、人々の間の社会関係が良好であること、また、他者とのネットワークが広く親密であることなどが健康によい影響を与えるということです。

そこで、保護者用調査の質問項目に含まれていた「子育てや子どもの教育について相談できる知人・友人」の数(「たくさんいる」「ある程度いる」「いない」の3件法で回答)を親の社会関係資本を測る変数ととらえ、これと子どもの体力との関連を分析してみました。

図表12によれば、小学校低学年の段階から、豊かな社会関係資本をもつ親の児童の方が社会関係資本をもたない親の児童に比べて、体力総合点は有意に高くなっていました。また、その格差は、小学校高学年・中学生へと上がるにつれて拡がる傾向が見られます。

以上のことから、子どもの体力・運動能力は、家庭の経済資本だけでなく、学歴のような文化資本や社会関係資本の影響も受けていることがわかります。

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