「物価が上がらないのが普通」という思い込み

お金の価値は一定ではない、って知っていますか?

昭和30年代生まれの知り合いは、小学生のときそれを身をもって感じたそうです。

なんでもそのころ、おばあちゃんに300円もらって、100円のお菓子を3つ買うのを楽しみにしていたそうなんです。ところがあるとき、100円のお菓子が150円に値上がりしていて、2つしか買えなくなったのだとか。

皆さんも聞いたことがあるかもしれません。1973年に起こった第一次オイルショック(第四次中東戦争をきっかけに原油の供給がひっ迫して原油価格が高騰したことによる混乱)が全世界を襲い、ものの価格が一気に上がったときのことです。

100円で買えたものが150円出さないと買えなくなったのですから、ものの価値が上がってお金の価値が下がった、ということになります。

このように物価が上がりお金の価値が下がる現象をインフレといいます。日本ではバブル経済の崩壊以降、長く経済が低迷しインフレが起こっていませんでした。物価も30年くらい上がっていなかったんです。だから私たちはどこかで「物価が上がらないのが普通」と思い込んでしまっています。

日本の物価はじわじわ上がり続けている

でもこれ、大間違いなんです。実は、物価は上がるのが「普通」。物価が上がらない方が「異常」なのです。

長いこと日本で物価が上がらなかったのは、経済成長をしていなかったからです。実際、日本以外の先進国は、毎年、スーパーの値札が変わっています。例えばアメリカは毎年2%以上の経済成長をしているので、毎年、ものの値段が上がっていますよ。

写真=iStock.com/Bet_Noire
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「でも、日本ではインフレは起こらないでしょ?」と思っていませんか?

物価の上がらなかった日本ですが、実はここ数年、じわじわと上がってきています。

例えば大手製菓メーカーのお菓子の中には、値段は以前と変わらないけれども、原材料の価格上昇により中身の量が減っているものが多くあります。

小麦粉やバターなども同様です。金額自体があまり変わらないので気づきにくいですが、同じ価格で量が減っているのですから、実質的な値上げが行われているわけです。

皆さんも実感としてあるのではないでしょうか。25年くらい前はコンビニのカップアイスが1つ100円くらいで買えていたのに、現在では同じアイスが130円くらいかかり1.3倍になっています。