※本稿は、大西真人『自由に生きるための 地味な投資で2000万円』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。
普通預金が倍になるまで「7万2000年」かかる
率直に言いましょう。
銀行が安全だというのは全くの幻想です。皆さんもご存じかと思いますが、今、銀行にお金を預けてもちっとも増えません。
理由は「かつてないほどの低金利が続いているから」。2021年11月1日現在のみずほ銀行の普通預金金利は年0.001%。100万円を1年間預け入れしても10円しか利息がつきません。
普通預金よりは利率のいいスーパー定期に預け入れたとしても年0.002%です。
こう言われても今一つピンと来ないかもしれませんね。ご説明の仕方を変えましょう。
金利が高いか低いかを実感しやすい方法に、「72の法則」というものがあります。
72を利率で割ると、元金が倍になるまで何年かかるかがわかるというものです。実際に数字を入れて計算してみましょう。
72÷0.001=7万2000
②定期預金・金利0.002%の場合
72÷0.002=3万6000
普通預金だと100万円に利息がついて倍の200万円になるまでに7万2000年、定期預金ですら3万6000年という途方もない時間がかかるというわけです。
金利が高い時代は預貯金だけでまとまったお金がつくれた
今でこそこんなですが、日本にも金利が高い時代はありました。例えば、郵便局の人気商品である10年もの定額貯金の利回りは、1980年度に最大12%の利回りでした。倍になるのに何年かかるのか、計算してみましょう。
72÷12=6
1980年以降、最も高い利率12%で運用できた時代には、預け入れた100万円が倍になるまでにたったの6年しかかからなかったのです!
現在の定期預金なら3万6000年かかるのですから、その差3万5994年。低金利に甘んじているのがいかにもったいないか、おわかりいただけたことでしょう。私たちはかつてないほど低金利の時代に生きているのです。
銀行預金の金利が高かった時代にはお金の増えるスピードが速かったので、預貯金だけでまとまったお金をつくることができました。でも今はもうそんな時代ではありません。
こんな時代にあってみすみす銀行にお金を寝かせておくのは、本当にもったいないことです。
もっと金利の高い金融商品を活用すれば、大きく増やせるかもしれないのです。わざわざ金利の低い銀行に預けっぱなしというのは、機会損失というリスクを自ら負いに行っているようなものです。
その意味で、銀行にお金を預けっぱなしにするのは、全く安全ではありません。