キャリア女性の恋愛の悩みに応える勉強会をスタート

キャリ婚のルーツは2015年。この年、川崎さんは、現在キャリ婚を共同で主催する金沢悦子さんと共に、オンラインサロンを始めました。

その名も「魔女のサバト(集会)」。

二人は元々、人材領域でおのおの起業していましたが、働く女性からあがってくる悩みの多くが、仕事とは別の「恋愛」関係だった。そこで、サバトと冠した勉強会を開催しながら、女性たちがみずからの内面と向き合い、本当に自分がどんな恋愛や結婚を望むのかを深堀りしてほしいと願ったといいます。

「魔女のサバト」に登壇する川崎さん。(写真提供=本人)

「とくにバリバリ働くキャリア女性ほど、恋愛観が『少女漫画』の世界でストップしているんです。『この場でこんなこと言ったら、フラれるな』とか、『ここまですれば、(意中の男性が)追い掛けてくれるはずなのに』など。恋愛に深くハマった経験がない女性も、数多く目にしました」(川崎さん)

一方で、サバトに参加した女性たちは、自分本来の好みや「迷宮入り」している自分の現状に気づき、目が覚めることも多いそう。

たとえば「結婚相手は、公務員や銀行員じゃないと」と思い込んできた女性が、「それって自分じゃなく、母親の好みだったんだ」や、「周りに公務員しかいないから、そこしか見ていなかった」と気づくなど。

また、元々は「年収500万円前後の心穏やかな男性と結婚して、土日に二人で釣りに行って~」など、具体像を持っていた女性が、長く婚活を続けるうち「モテマニア」になり、本来の自分を見失っていたと認識することもあるといいます。

婚活アプリでだまされる女性が続出

サバトを通じ、ようやく本当の自分の願望に気づき、前向きに婚活市場へと羽ばたいていく女性たち。ですがその後、彼女たちの多くが再び「残念な現実」にさらされることに気づいたと川崎さん。

それが、一部の婚活アプリで既婚男性、あるいは宗教やマルチ商法などの勧誘に遭遇し、「だまされた」とショックを受けるケースがあまりに多い、との状況でした。

そこで16年11月、川崎さんは先の金沢さんらと、働く女性に特化したキャリ婚のβ版を立ち上げることにしたのです。