会社のミスでどのくらい損する可能性があるか
会社が行う年末調整は、残念ながら絶対に間違っていないというものはありません。可能性は低いかもしれませんが、ミスしていることもあります。毎年のように税制が変わるので仕方のないことだとは思いますが、もし間違っていても、みなさん自身が気づけるようにしておくのが理想です。
実際にミスがあった場合には、どれくらいの税金が変わるのでしょうか。例えば所得税率20%の方(課税所得金額330万円~694.9万円)の場合、仮に生命保険料控除4万円が見落とされていたとしたら、4万円×20.315%(復興特別所得税込み)=約8000円の税金が増えてしまうことになります。さらには住民税(税率10%で、約2800円)も連動して増えますので、合わせて1万円程の負担増となります。
扶養親族でミスが生じた場合には、さらに影響が大きくなります。たとえば、大学生の子どもの扶養控除が計算から外れていると、(特定)扶養親族控除額が63万円になりますので、所得税(63万円×20.315%=約12万8000円)と住民税(45万円×10%=4万5000円)を合わせて約17万円となります。
源泉徴収票のどこをチェックすればいいか
最低限、チェックすべきポイントを挙げてみました。まずは給与の額面金額です。いわゆる「年収」と言われるところです。ここをみれば自分の年収がわかります。その段の一番右側がその年の所得税・復興特別所得税の金額です。住民税の金額はここには出てきません。
確認したいのが、その年に支払った保険料の金額と控除額です。ご自身が払った保険料の区分が正しい区分に記載されているか、控除額の計算が正しくされているのか確認しましょう。
次に、配偶者・扶養親族の情報です。この例では共働き世帯ですので配偶者の欄には何も書かれていません。控除対象の配偶者がいる場合には、こちらに名前が出ているのか確認しましょう。
その下の欄が扶養親族です。左側が控除対象の扶養親族、右側が16歳未満の扶養親族が書かれています。漏れがないかどうか確認をしましょう。