ふだん得ている恩恵を思い浮かべる
イギリス国教会の表玄関には「ふだん得ている恩恵を思い浮かべて感謝しよう」という標語が刻印されている。この標語は私たちの心の中にも刻印されるべきだ。
ふだんの生活の中で感謝すべきことをすべて思い浮かべ、自分がその恩恵を得ていることに感謝しよう。
暇を持て余すと心配性が忍び寄る
ほとんどの人は特に苦労しなくても忙しく過ごすことができる。日々の仕事に励めばいいからだ。
しかし、仕事が終わった後の時間が危険である。余暇を楽しむゆとりができると本来なら幸せを感じるはずだが、心配性という悪魔が忍び寄るからだ。その結果、自分はこれからどうなるかとか、上司に言われたことについてあれこれ悩んだり、病気になるのではないかと不安になったりする。
忙しく過ごしていないと、心は「真空状態」のようになり、そこにいろんな雑念が入り込んでくる。心配や恐怖、憎悪、嫉妬、羨望などのネガティブな感情は非常に激しい力を持っているので、平和で幸福な気分が吹き飛んでしまうのだ。
周囲の人を助けることに関心を抱く
助けを求めて精神科医のもとに駆け込む人たちの約3分の1は、もし周囲の人を助けることに関心を抱けば、たぶん自分の力で治るはずだ。これは私の考え方ではなく、精神分析学者のカール・ユングが指摘していることである。
彼はこう言っている。
「私の患者の約3分の1は神経症と診断できるものではなく、空虚な生活態度のために思い煩っているだけである」
彼らは周囲の人を助けようとせず、周囲の人に助けてもらうことばかり考えている。そして精神科医のもとを訪ねて、自分の満たされない思いをぶつけるのだ。