株価上昇でも見直しの必要なし

ここでは、株式に投資する投資信託を前提に話を進めますが、結論から言うと、株価が上がったからといって利益確定の必要はなく、そのまま投資信託での運用を続けてOKです。

DCやiDeCoでは、毎月一定の額を投資する、積立投資になります。株価などが高い時には少なく、安い時には多く買うことになり、高値で多く買ってしまう高値づかみの失敗を避けやすく、価格が安い時にたくさん買えるメリットがあります。これを「時間分散効果」と言い、投資のリスクを抑えるための重要なポイントです。長期で続けると、平均買付単価が抑えられる効果が期待できると考えられています。

したがって、短期間で利益を確定させていくより、長く続けたほうが、効果が出やすい、というわけです。

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今後、株価が下がったらどうなるのか

運用で効率的に増やすより、安全性を重視したい、という人でも、55歳くらいまでは利益確定を考えず、投資信託での運用を続けていいと考えられます。この先も、長期でみれば株価が下がる局面はありますが、受取開始となる60歳まで5年あれば、その間に回復することも期待できるからです。

またDC、iDeCoとも、現行では60~70歳の間で受取開始時期を決めることになっていますが、制度改正により、2022年からは、受取開始時期を75歳まで選択できるようになります。長寿化により、65歳まで働くのは当たり前、できれば70歳、75歳くらいまで、という考え方も広がりつつあり、受取開始時期の選択肢が広がるのも、そうした動きに合わせた措置です。

これを踏まえると、もしも、60歳、65歳の時に価格が下落していたら、相場が回復するまで、受取時期を先延ばしすることもできる、ということになります。

20~50代前半の人なら、まだまだ先は長く、ここで利益確定するより、もっと長く運用を続けたほうがいいのです。