野党の国会追及が解散の引き金を引く皮肉な展開も

10月下旬には臨時国会が召集される。国会論戦の中で野党側は、安倍氏の後継である菅氏は国民の信を受けていない正統性のない政権であるという指摘をすることだろう。そのことは9月3日に配信した「菅氏の勝利は確実なのに、世論に不評の『党員投票の省略』を決めた本当の理由」でも紹介した通りだ。

野党が正統性を追求すれば、「ならば」ということで伝家の宝刀を抜くチャンスが生まれる。言い換えれば野党の追及が、「国民のために働く」といいながら早期解散することの整合性を与えることになる。

野党は今、本音では衆院解散を1日でも先送りしたい。その間に衆院選への陣形を整え、菅内閣の支持が目減りすることを期待している。しかし、国会が始まれば菅氏の正統性を突かないわけにいかない。早期解散を避けたい野党が、その引き金を引くことになれば、これ以上ない皮肉な展開となる。

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