どれもこれもステータス性を示せる店ばかり

では、これが意味するものは一体なにか。

上述した店は、どれも味が絶品なのは言うまでもない。だが、渡部さんに限って言えば、彼は単に「味だけ」で足を運んでいるようには到底思えないのだ。端的に言えば、彼が好きなレストランは、どれもステータス性を示せる店ばかりなのだ。

具体的には、予約の困難さや、アクセスの悪さ、完全紹介制であったり、住所が非公開であったり、一般人が足を運べないほどの“選ばれしもの”だけが足を運ぶお店だ。当然、これらの特徴を備えている店は、そこに足を運んだだけで高いステータス性を示すことができる。

さらに、彼が尋常ではないほどステータスにこだわる証拠がある。

それが渡部さんのインスタグラムだ。

今や、お笑い芸人の多くがツイッターやインスタグラムなどのSNSアカウントを持ち、テレビ以外でも多くのコンテンツを発信している。

大物とのツーショットばかりを並べる自己顕示欲の高さ

その多くは、出演番組の告知のほか、日常のちょっとした「笑えるネタ」だ。若手芸人となると、土佐兄弟のインスタグラム「学校あるある」のように、ネタを披露する場所として使っている。

たとえば、有吉弘行さんのインスタグラムならば、仲のよい芸人をアップし、毎回ボケた一言を添えている。5月16日の投稿では、眼鏡をかけスーツ姿のダチョウ倶楽部の上島竜兵さんをアップ。その写真とともに「理系男子」と一言添えている。

麒麟の川島さんは、タレントの顔を撮影し、毎回そのタレントの見た目からどんな人物や職業か、“仮想”で、ハッシュタグで記した投稿が人気を集めている。たとえば、相席スタートの山崎ケイさんをアップしたときには、「#古文の顧問」「#スピリチュアルの話になると急に敬語で喋り出す女性」といったようにハッシュタグで大喜利を披露している。

だが、渡部さんのインスタグラムはまったく違う様相を呈している。

彼のインスタグラムを見て真っ先に気づくのが、やたらとツーショットが多いことだ。そのツーショット相手は、妻の佐々木希さんでもなく、芸人仲間でもない。

その内容は、サッカー元スペイン代表のイニエスタ、中田英寿さんと三浦知良さんと並んだスリーショット、世界的富豪として知られる格闘家メイウェザーなど、一口で言えば、大物と写った写真が9割以上を占めているのだ。言い換えれば、芸人らしく笑える投稿は、ほぼゼロだ。