これが「攻めの解散総選挙」の黄金則だ

メディアを通じて、早期の解散総選挙がささやかれ始めた。安倍さんの自民党総裁任期満了は、来年2021年9月。衆議院議員の任期満了は翌10月。

(略)

選挙は合戦だ。追い込まれた状態で合戦を始めるのは戦略・戦術としてまずいことは一目瞭然だ。

ただ政治評論家などの外野にこんなことを言われなくても、政治家本人が一番よくわかっている。だから支持率が下がり始めたときに、どう攻め込む形に転換して合戦を始めるか。ここに政治家は知恵を振り絞るが、それを実際にやるのはほんと難しい。

僕も何度も選挙を経験してきたがその経験からすると、国民の間に大争点を巻き起こし、それについてYESかNOかを国民に問う環境を作る。これが「攻めの選挙」に持っていく黄金則だと思う。

支持率が下がり始め、いったん「リセット」するための解散総選挙と、大きな政策の方向性のYES・NOを国民に問うて、政策を進めるための解散総選挙。

前者は政権維持のためのもの。他方、後者は国民・国家のためのもの。この後者こそが攻めの解散総選挙というものだ。

安倍政権はこれまで6回、国政選挙で勝利している。これは凄いことだ。ただし政策の方向性のYES・NOを明確に国民に問うて、選挙によってそれを進めたのは、2014年の衆議院解散総選挙と2016年参議院議員選挙だけだと思う。

この2つの選挙によって、本来2015年10月から消費税が8%から10%に引き上げられるところを、2019年10月まで実施時期を後ろへ引っ張った。

消費税の税率引き上げは、民主党の野田政権のときに、与野党合意によって2012年に法律で定められた。一度法律で定められたことを延期しようというのであれば、それは選挙で問うて、法律を改正していくしかない。

そこで安倍さんは国民に信を問うて選挙で勝利し、消費税増税を延期した。