年収が上がれば上がるほど、不幸の中へと進んでいく

なぜか? その方は目新しいものや刺激が少なくなる一方で、むしろ生活水準が下がる恐ろしさに怯えながら、負われるように仕事をし続けるようになっていると話します。周りから見れば、成功を納め、自由に生きているかのように見える人たちも、「むしろ、制限が増え、負うものが大きくなり、不幸の中にいる」と口にする人の多さから。人間とはなんと難しい生き物だと考えさせられます。

ここで、紹介した年収の高い人たちの意見も1つの考え方として捉えていただければと思います。年収や他人からの評価以外に、人間は興奮を伴う新しい発見や好奇心の追求、さらには、自分の存在義を感じながら、バランスを保ちつつ生きること。そのようなことなくしては、幸せを感じることができない生き物なのでしょう。

友達と一体、何なのか

「小中高の友達が君に何してくれる?」これは、「今でしょ!」で有名な林修先生の言葉です。「1年に1、2回しか会わない友人よりも、今仕事で接している人との関係に重きを置くし、一緒にいて楽しいし、勉強にもなる。小中高の友達とは一体何なのか考えてしまう」(同・50代・金融)と話す。

中学・高校と学生時代を共にした友人は大切でありずっと“友達”だが、何も気にせずに遊んでいた学生時代とは違い、年月とともに、出世のレベルや幸せな家庭、独立して成功するなどの「差」が開いていくのは事実。これは経験がある人も多いはずです。

社会に出ることで、成功する人もいれば、芽が出ない人もいる。ただ、日本という社会の性質上、学生時代に時間を共にした友人に対しては、人並みの人生を歩んでいることや人並みの成功については話ができても、成功しすぎると自分の話はできなくなる傾向があるようです。取材を通じて、皆、「共に遊べる友達が少なくなっていく」と物悲しく話す。