4人に1人の男性が50歳で婚歴なし

確かに女性の生涯未婚率も2000年から上昇傾向にありますが、男性の上昇カーブには追いついていません。直近の2015年国勢調査では、男性の生涯未婚率は24.2%、女性は14.9%となっています。表現を変えるならば、「日本の50歳男性の約4人に1人は一度も結婚経験がない」という状況です。

これに対して女性は約7人に1人ですので、両者の生涯未婚率には大きな開きがあることがわかります。2015年時点の50歳人口は男女ともに86万人です。ですので、この人口に生涯未婚率を掛けて単純計算してみると、女性約13万人に対して、男性は約21万人程度の生涯未婚者が存在することがわかります。

実数でみても、割合でみても、女性に比べて圧倒的に男性の生涯未婚者が多い、というのが日本の現状なのです。

交際相手がいない34歳までの男性は7割

【図表2】を見てください。

これは18~34歳の婚歴のない未婚者のうち「交際相手がいない」人の割合(非交際率)の推移を示しています。2000年あたりからその割合が増加し、2005年以降は急激に上昇していることがわかります。

直近の2015年に行なわれた調査結果では、実に未婚の男性の7割、女性の6割が、そもそも「交際相手がいない」と回答しています。未婚化に関して解決策として「婚外子が認められれば子どもが増える」という見解を見かけますが、そもそもこれは交際相手ありきの話になります。

交際相手がいない状態で、子どもの籍を入れる/入れないという議論は、あまり有効な少子化対策の議論とはなり得ないであろうことが、データからは見えてきます。非交際率と生涯未婚率の推移は、タイムラグはありますが、ほぼパラレルで推移しています。

この2つのデータから見えてくるのは、「交際相手がいない状態で未婚でいる」男女が急増している、という姿です。街中で目にとまる若い独身男女の大半が、若いにもかかわらず、特定の彼氏/彼女を持たなくなっている。これが、データが示す今の日本の姿なのです。

単純に片付けられない新しい社会問題

もちろん、交際相手がいないこと自体が、その個人にとって悪いことだ、と言うつもりはありません。そもそも今の若い男女が交際や結婚をしたくないなら、それもいいのです。周囲が交際や結婚をそういった人に強制するべきではありません。

そこで、どれだけの若い男女が実際に結婚願望を抱いているのか見てみたいと思います。これについては、さきほど非交際率を示したのと同じ、18~34歳の独身男女の結婚意志を尋ねた国の大規模調査結果があります。