ハレの日需要を取り込んだライバルチェーン

一方で、郊外ロードサイドで2000円以上のステーキが売れるのは、メインターゲットとなる家族連れの「たまには家族で豪勢にステーキを食べたい」という需要があるからだ。

いきステの登場前、ほとんどのステーキチェーンが駅前ではなく郊外ロードサイドを主戦場としていたのはそこを狙ってのことだ。ステーキは高級料理ゆえに、価格がどうしても高くなってしまう。そのため、駅前では十分な需要を取り込めない。そこで郊外ロードサイドで家族連れをターゲットにしてハレの日需要を取り込むことでなんとか成長できたのだ。

そうしたなか、いきステは旧来の常識を覆し、立ち食い形式を取り入れることで低価格を実現して、駅前でもステーキチェーンが成り立つことを証明してみせた。この功績は大きい。

しかし、値上げや300グラム以上とした価格設定があだとなり、「いきステは高い」というイメージが広がり、客離れが起きてしまった。

「硬い」と叱られる200グラム1130円のステーキ

そして、いきステは「品質を考えた場合の価格」において問題を抱えている。一部の商品のコスパが悪いのだ。例えば、主力商品の「ワイルドステーキ」がそうだろう。

ワイルドステーキの価格は200グラムで1130円だ。これは「相場に対しての価格」は安い。だが、「品質を考えた場合の価格」は安いとはいえない。筆者はワイルドステーキを実際に何度か食べてみて「品質に改善の余地がある」「コスパが悪い」と思った。同様のことを指摘する口コミは少なくない。

肉の硬さを謝罪する張り紙(写真提供=著者)

ワイルドステーキの品質に改善の余地があるのは、冒頭で触れた1月の張り紙からもわかる。張り紙では、一番人気のワイルドステーキが「時々硬いとお叱りを受け」ていたことを謝罪している。

「硬い」と叱られる200グラム1130円のステーキは、「品質を考えると価格は高い」と言っていいのではないか。いきステが再起を図るならば、「品質を考えた場合の価格」と「相場に対しての価格」、そのいずれの点も解決する必要があるだろう。

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