つまり、娘から父に対する見方は、「父が冷たい態度をとるから、私は腹が立っている」。これをブリーフセラピーという分野では「システミックな悪循環」と呼びます。

彼女たちに「もしお父さんがあなたを避けずに、積極的に話しかけてきたらどうする?」と聞くと、「普通に話をする」という子もいれば、「ウザいから無視する」という子もやや多めでした。しかし、自分の反応はどうあれ、彼女たちは「お父さんには優しく普通に接してもらいたい」と考えているようです。

娘が冷たいから自分もそっけない対応をしてしまう、遠慮して気軽に話しかけられない、というお父さん方には、その態度をとることで、娘さん側も傷ついていると伝えたいのです。とはいえ普通にかまうことで、娘さんの反応が温かいものになるわけではないのですが……。

父親は娘の「初めての男」になれ

女性としての自信や自尊心を育むには、父親が娘に見返りを求めず、「どんなときでも自分を裏切ることのない、ずっと愛情を向けてくれる男性」という役割をやり切ることが何よりです。素晴らしいことだと思いませんか。たとえ娘から「ウザい」と言われても、冷たい目で見られても、気にする必要はありません。「娘に報われない片想いをする1人目の男性」になってください。

女子大学生に「父親とのいい思い出」を聞くと、「父親を避けていた時期、塾帰りに迎えに来てくれるけど、1m後ろを歩いてた」とか、「待ち合わせで寝坊して3時間待たせた。でもお父さんは待ってた」など、実にむごい(笑)エピソードが嬉しそうに語られます。「思春期の娘 接し方 父親」などを検索して出てくるアドバイスを、片っ端からやってみることもおすすめです。片想いしていた思春期ならそうしたではありませんか。「鼻毛をカット」「清潔に」「妻に偉そうにしない」などなど、いいことが書いてありましたよ。

(構成=池田園子)
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