いい会社とはいい人が集まっている会社——それを体現しているのが、高知市のディーラー、ネッツトヨタ南国だ。「全社員が勝利者になる」ことを最優先し、顧客満足度の高いサービスを実現、業績も好調に推移している。個性的なこの会社の歩みと経営哲学について、創業以来経営に携わってきた横田英毅取締役相談役に話を聞いた。3回にわたって掘り下げていく。
ネッツトヨタ南国本店のショールーム。ゆったりした空間で、来場者は商談だけでなく、時には好きに時間を過ごすことができる。これも満足度が高い一因だ。

「お客様を大切にする」サービスとは

——ネッツトヨタ南国は社員の幸せを大切にする会社としても、お客様満足度の高いサービスをしている会社としても注目され続けています。まずは会社の歩みから聞かせてください。

【横田】ネッツトヨタ南国は、1980年にトヨタビスタ高知としてスタートしました。トヨタ5番目の販売チャネル「ビスタ店」66社が一斉に立ち上がった、その1つです。愛媛、徳島、高知など四国を中心にトヨタ系ディーラーなどを運営している西山グループが母体になっています。その後、オート店(98年からネッツ店)とビスタ店が統合したため、2004年からネッツトヨタ南国に改称して、現在に至っています。本社を含めて3店舗、スタッフ約140人でやっています。

新しい販売チャネル「ビスタ店」はいくつかの使命を帯びていました。その一つが新しい販売方法への挑戦です。当時、昼間に訪問しても家に誰もいないことが多く、クルマが1家に1台は当たり前になっていました。そんな状況でお客様に無理やりアプローチして嫌がられるよりも、クルマを買いたいお客様にディーラーを訪ねてもらうようにしよう。来店型の販売スタイルへの転換です。もう一つの使命が、日曜日の営業です。1980年当時、ディーラーはどこも日曜は休みでした。日曜営業体制に踏み出す、その先陣を担うことになったのです。