部下を指導するポイントはメンタル、スキル、活動
例えば顧客から評判の悪い営業マンがいたとする。出入り禁止のクレームを受けたとしても上司は顧客からの一方的な話だけで「おまえは駄目だ」と決めつけてはいけない。
実は顧客から評判が悪い営業マンの中にも優秀な営業マンがいる。なぜなら概して顧客から評判がいい営業マンほど「言いなり」だからだ。「呼べばすぐ来る」「強く言えば値引きに応じる」など、顧客は自分に都合がいいほど「いい営業マン」だと思うものだ。だが会社からするとそれは「いい営業マン」とは呼べない。逆に「対応が悪い」「(忙しくて)電話してもいつも繋がらない」「値引きしろと言ってもまけない」など、顧客から見ると不満だらけの営業マンのほうが利益の出る仕事の仕方をしている場合もあるのだ。
クレームになる理由は営業マンの話し方など些細な部分にあることが多い。顧客からの一方的な評判だけで頭ごなしに怒るのではなく、しっかり部下の話を聞いてどこに問題があるのかを見極めてから指導したい。「顧客からの評価=営業マンの評価」ではないのだ。
では、部下の課題をどのように見つければいいのか。
営業マンが「売れない」要因には、メンタル、スキル、活動の3つがある。1つの場合もあるし複合的なものが原因となっている場合もある。
まずはメンタル面だが、やる気がない営業マンは何らかの不満を抱えている。不満は「会社」「商品」「ポジション」「仕事内容」「上司」、この5つのいずれかだ。5つのうちどれに該当するのかさえ把握すれば解決はできる。
例えば個人的に上司と折り合いが合わない場合なら、じっくり話し合うなり別の上司の下に付けるなどできるはずだ。ポジションに不満がある場合には、その営業マンの評価について上司と本人の認識を明らかにし、誤解があるなら解消していくとよい。マネジャーがコミュニケーションを通じて部下の不満を払拭していくことである。
しかしなかには特に不満はないが、モチベーションを上げる要因がないために低空飛行を続ける営業マンもいる。営業マンのモチベーションには、「獲得」「成長」「評価」「征服」「責任」という5つの要素がある。自己成長がモチベーションの源泉という人もいれば、難しい顧客を攻略して契約を獲得することに熱意を覚える人もいる。どこでやる気を感じるかは人それぞれだ。